ライオンズクラブは社会奉仕を目的とした団体で、単なる寄付団体ではない。 私たちの奉仕活動によって社会に投げられたひとつの石が次第に波紋をひろげ、 地域社会の人々に善意の心の美しさと共感をよびおこし、その地域社会全体が愛の 奉仕と友愛に生きるよう誘い水となるのが、ライオンズの目的である。 善意の押し売りをする団体ではなく、社会の人々の共感を得て、ともに活動する 団体である。
- ライオンズクラブとは社会奉仕団体である 「ライオンズクラブは単なる社交クラブや慈善団体ではない」 この点は世間に誤解されている重要な問題である。新聞記事の中に、また街 や郊外に、ライオンズクラブが寄贈した街路樹や小公園などの施設や設備をごら んになったことだろう。またライオンズクラブでは、公共施設や道路などの 清掃奉仕や交通指導などを、会員自らの手で行っている。このようにライオンズ クラブの奉仕活動は、地域や住民のためになるような、ほんのちょっとしたこと にも真心と情熱を注いで活動をしている。 ライオンズクラブは財力や暇をもった人々の集まりではない。会員の資格は善 良な知性、徳性の持ち主であり、地域社会に人望のある成人と明確に表現されて いる。 心豊かさこそ求められるものであり、物質的豊かさのみのボランティアを求め るものではない。 私たちの奉仕は、奉仕そのものも目的であるが、さらに奉仕を通して社会に 善意の心の美しさを呼びおこすことに目的がある。たとえ奉仕が樹木一本、苗 木一本であっても、その奉仕を通して内にはライオンズクラブ会員の精神が高 められ、外に対してはその奉仕がきっかけとなって、やがて大きな地域社会へ の奉仕の輪が広げられていくことを願う活動こそ、ライオンズクラブの奉仕活 動である。
- 奉仕に必要な資金 ライオンズクラブの会員は一定の会費を納めているが、これはクラブそのもの の運営費にあてられるので、奉仕活動の資金はその都度それにふさわしい方法で つくられる。ある奉仕にどのような事業資金獲得がよいかは、会員の英知を集め て決められる。 バザーやチャリティーショーなどをしたり、会員の慶び事の記念として、善意 の拠出をしたりする方法がある。 【事業資金獲得法】 アクティビティ(奉仕)の事業資金は実際に手元になけれ ばならず、収入予定額であってはならない。
- クラブ運営は規則が必要 たとえば、定期的に月2回例会という総合会議をもっているが、例会出席は 会員の絶対的義務となっている。奉仕活動への参加は、まず例会出席から始ま る。これが出発点であるだけに、例会の運営は開始と終了の時間が厳守され無 断欠席は禁じられている。また各種の役員は任期を1年とし、特別な事情がな いかぎり再任はないので、特定の会員にだけ名誉や地位や権力が生まれること はない。一般に関心のある社会問題や、政治や宗教の問題をライオンズクラブ が研究・討論の対象にすることもあるが、特定の立場で会を運営したり、会員 が特定の政党・宗派などの主義主張をもちこみ宣伝すること、討議は一切禁じ られている。 他にもいろいろな規律があるが、厳格であることをむしろ誇りに思っている。 他に各クラブには内規がある。会則を適用するうえの具体的運用方法が内規 である。従って内規において会則の内容を変更することはできない。
- ライオンズクラブに入会して活動する意義 ラインオンズクラブに入会すると、会費を払い、労力の奉仕・例会出席など 強制されるものを感じる。しかし、人間の一生は地位やお金がすべてではない。 私たちの住む社会は、みんなで住み良くする奉仕事業には1人よりも10人、 10人よりも100人がより大きな成果をあげられる。ともすれば、私利私欲 と利己主義に走りがちな風潮があるが、社会に生活させてもらうご恩を返し、 報酬を期待せず、会員一人一人が手をつないで奉仕をする、これがライオンズ 奉仕のよろこびである。ライオンズクラブの奉仕は善意の心を合わせて、常に 国際的視野に立って世の中のために奉仕をすすめる、そこにライオンズクラブ 会員としての誇りと喜びがある。